経済発展がもたらしたもの【森博嗣】連載「道草の道標」第12回 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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経済発展がもたらしたもの【森博嗣】連載「道草の道標」第12回

森博嗣 新連載エッセィ「道草の道標」第12回

 

【毎日の肉体労働】

 

 秋の労働週間の真っ只中、この1カ月で体重が4kg減少。落葉掃除のため10kgのエンジンブロアを背負って落葉を集め、大きな袋にいれ、これを担いで運び、ドラム缶で燃やす、この繰返し。あと2週間くらいかかる見込みだ。日頃いかに運動していないか、ということである。肉体疲労以外では、そこそこ健康なので、どうかご心配なく。

 工作はやや低調で、おもちゃの修理くらいしかしていない。ゲストが何組かあったけれど、その準備をしたのは奥様(あえて敬称)と長女で、僕はなにもしていない。相変わらず、毎晩イギリスのTVドラマを見ている。同じものは二度と見ないから、そのうち見るものがなくなるだろう、と心配したが、無料で見られるコンテンツが新たに供給され、今のところ永遠の泉というか底なし沼である。まさに今回書いた「共有された人々」の一員だ。アメリカのドラマは、最近あまり見なくなった。どうも、暴力的すぎる。また、アジアのものは、日本人に似すぎていて、逆に表情や仕草の演技にギャップを覚えるため選択していない。また、アニメも同様の理由で見なくなった。まあ、これくらいの我儘は許してほしい。許可の必要はないけれど、このあたりが「共有された人々」の特徴。

 庭園鉄道はほぼ毎日運行。落葉を運ぶ作業にも活用している。地下室にも線路を持ち込んで、ミニチュア地下鉄を開業しようと画策している(ブログを参照)。線路を運び入れる作業を少しずつ始めていて、来春には開業したい。屋外が極寒であっても地下はほぼ20℃(ボイラ室や床暖配管の影響)なので、全天候の家庭内乗用鉄道となる。これらの活動が、乗せられていない、共有されていない、残された「個人」のもの。

 とにかく、毎日のんびり生きている。作家を引退できたことが大きい。ストレスやプレッシャというのは、それが消えたときにようやく大きさがわかる。受けている最中には、なかなか気づけないもののようだ。大気中にいても気圧を感じることはないのと同じか。すると、今は真空ということかな?

 

前回に続いて、左はのんた君。右端はサンダーバードのペネロープ嬢で、著作権者監修の下、特別に製作されたものを20年以上まえに30万円ほどで購入した。目と口を動かすことができる。執事のパーカもあったのだが、2人分出すほど太っ腹ではなかった。

 

文:森博嗣

 

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森博嗣

もり ひろし

1957年愛知県生まれ。工学博士。某国立大学工学部建築学科で研究をするかたわら、1996年に『すべてがFになる』で第1回「メフィスト賞」を受賞し、衝撃の作家デビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか、「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、また『The cream of the notes』シリーズ(講談社文庫)、『小説家という職業』(集英社新書)、『科学的とはどういう意味か』(新潮新書)、『孤独の価値』(幻冬舎新書)、『道なき未知』(小社刊)などのエッセィを多数刊行している。

 

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